茨城県龍ケ崎市の市民活動センターで、龍ケ崎の未来について考える対話のワークショップを行いました

今回は、龍ケ崎市市民活動センターでローカルダイアログを開催しました。

龍ケ崎市市民活動センターでは、市民活動コーディネーター育成講座をおこなっており、毎回県内でまちづくりや地域づくりを行っている人を講師にして、市民が講座を受ける内容になっていました。
今回は、センター長から「みんなで対話をしてほしい」という要望があり、「ローカルダイアログを活用して、対話をする機会にしてはどうか?」
って提案をしたところ、面白い企画だねというフィードバックを受け、企画になりました。

今回のワークショップでは、龍ケ崎の未来について対話をしてもらうことでまちについて前向きに考える機会になってほしいというのが目的になっています。

参加者は市内の農家の方、元教師の方、点訳をしながら自治会長をしている方、建造物保存のNPO法人の方、龍ケ崎市と連携して市内の起業家たちのクラウドファンディングのサポーターの方の5人が参加してくれました。

クラウドファンディング(元campfireにいて今はcampfireのパートナーとして独立)の方は、自分が学生の時に出会った方で今回のチラシを見て、一番最初に申し込んでくれたそうです。

本来だともう何人か参加してくれる予定だったのですが、35度越えの気温の中、ご高齢の申し込んでくれた方3人が体調悪くて(前日に外でイベントの準備をしていたらしく)、今日は行けないとキャンセルをされたそうです。

まずは、住みたいまちのビジョンを話し合います。ローカルダイアログの「ビジョンカード」から、自分はどんなまちに暮らしたいか、それに最も近い表現のカードを5人の参加者に選んでもらいました。

・まちや地域に誇りや愛着をもてる地域(1人)
・子どもから高齢者までが幸せで豊かな生活が送れる地域(2人)
・子どもたちが元気に遊びのびのび育つ地域(1人)
・新しいことにチャレンジできたり、それに応援できたりする地域(1人)

という感じに分かれました。

各々の意見を聞いたうえで、最終的に3つくらいにビジョンカードを絞るのですが、今回はこのビジョンカードの中でも優先順位をつけて、最上位に「まちや地域に誇りや愛着を持てる地域」という最終的なゴールを達成させるために、「子どもから高齢者までが幸せで豊かな生活が送れる地域」「子どもたちが元気に遊びのびのび育つ地域」「新しいことにチャレンジできたり、それに応援できたりする地域」という3つの判断指標というものを設けて、YESやNOの判断基準に使ってもらうように少し改良しました。

「まちや地域の誇りや愛着を持てる地域」というものが最終的なゴールにしたのは、誇りや愛着がある地域でないとその町に住まないという意識が全体で合意が取れていたからです。

今回はこちらの45枚を用意して、対話をしてもらいました。
もし多かったら、全部やり切らなくてもいいし、少なかったら使っていないものを足せばいいかなと思って用意をしました。

今回は参加者同士で対話をすることが目的だったので、YESやNOの理由が雑にならないように焦らなくてもいいんだよ~という雰囲気を出して対話してもらいました。

自分は最初の2枚でどんな進め方をすればいいかを見せてからは各参加者に5つの分野の担当を決めて、時計回りに1枚ずつファシリテートをしてもらいました。
みなさんがカードを読み上げて、YESやNO、その理由を対話してもらっている状況にして、自分は同じくテーブルに座って、話を聞いてました。

ワークショップの時間としては、約1時間半をとっていたのですが、最終的にやりきったカードの枚数は、22枚と予定していた半分くらいで終了しました。

ワークの振り返り

今回のワークショップの最後に、皆さんに分析データをお見せしました。

参加者のコメントの中で、
「まちのウェルビーングが高いけど、他が低いのはなんでなんだろう?」
という疑問が出てきました。

以下、参加してくださった皆さんがほかの人の話を聞いてYESからNOになった中で面白かった問いです。

「にぎわいや活気のあるまちだと思う」
という問いを自分がお手本にやってみました。自分の言葉が龍ケ崎市の市民の方に聞こえなかったのかな?と誤解してしまうほど、問いを読み上げても誰も手を上げてくれなくて、寂しい気持ちになりました。

理由としても、「そんな印象は全然ない」とか「にぎわいや活気があれば、もっと若い人がいるはず」などの手厳しいお言葉をもらいました。

しかし、丁度龍ケ崎市みらい会議の直前の土日に市内で4年ぶりにお祭りがあったらしく、その時には関東竜ケ崎線が乗車率120%で「一体どこから人が来たんだ?」と思うほどの人数が来場したそうです。

「地域の文化、芸術活動を活発に行っているか?」
という問いでは「龍ケ崎市の写真家が自分の街では写真を展示する機会がないということを感じている」という話を聞いて、YESからNOに意見を変更した人も。他の市町村と比較して、展示やライブができる場所が少ない、などの意見を聞いたことを思い出して、NOになったという状況がありました。YESと答えた人は、その方が竹灯籠創りの活動をしていることから自分自身が文化、芸術活動に参画しているからYESだった様子でした。

「生活の不安や課題を補う新しいサービスが増えていると思う」という問いでは、クラウドファンディングデザインと龍ケ崎市が提携して伴走している事例や参加者の住んでいる団地にコミュニティバスが通っていること、公式LINEで市の情報を発信していることなど新しい取り組みを行っているという印象がありました。

特に、公式LINEでの発信は参加者の一人が話していて、その後にみんながうなずいていたのが印象的でした。

「市長は身近な存在だと思うか」という問いでは、身近な存在というものはどのようなものを指すのかということを聞かれたので、人となりとかを理解できているかとか、SNSでの発信を見たりするかとかなどを基準として話してもらった結果、身近に感じている方が1人しかいない状態でした。

SNSでの発信に関しては「市長がトップセールスマンになってほしい」という言葉が印象的でした。また、市長のSNSでの発信とかでは、茨城県にはつくば市や水戸市の市長が結構積極的に発信しているのが印象的なので、どうしても他の市に比較をすると弱いのかなって話が出ました。

「住んでいる地域に関心ある人が多いと思う」という問いでは、こんな声も。
・佐貫駅地域の人は自分の地域はこうだよねみたいなことを聞いたら教えてくれる
・関心がある人はいるけど、関心が多い人はいるかってなると難しい
・まちづくりのアンケートの感想が集まらないというのが行政で言われている
・この企画をやったときに筑波だからどうだったのかな~
などなど。他の地域と比べたときにどうなるか気になる参加者もいました。

龍ケ崎市に暮らすみなさんと、まちの現状について対話する

龍ケ崎市は全国的に初めてクラウドファンディングのcampfireさんと包括連携を行って、campfireのスタッフが市民の創業とかの伴走支援を行っているというのは初めて知りました。

最終的な参加者の感想は、
「誇りを感じるためにはにぎわいがあるといい」
「新しいイベントを考えようみたいなイベントをやってみたらどうかな?」
「小学校とかでもやってほしい」
「発信下手なのは茨城県民性」
「付箋でやるならローカルダイアログをやってみるとどうかな?」

などの意見があり、今後の可能性を感じる時間になったようでした。

ファシリテーター:植竹 智央