笑顔(エミー)とお金(ゼニー)のバランスのとれたまちづくりを

こんにちは。末吉です。
Local Dialogueプロジェクトでは、主にワークショップや対話会、その後の住民アンケート調査などを通じて収集されたデータを、ウェルビーイングな地域づくりのためのデータプラットフォームとして活用していくべく、大規模データ解析、AI開発支援を担当します。

◆因果情報分析と未来予測でまちづくり支援したい

私は元々ソニー株式会社やソニーコンピュータサイエンス研究所(ソニーCSL)にて、ノートパソコンや位置空間情報サービスの商品化、事業化の業務に携わっていました。2007年には、ソニーCSLから初のスピンアウトベンチャーとしてクウジット株式会社を設立しました。

クウジットのミッションは、”[空]と[実]をつなぐ技術で社会に貢献する”です。なにやら小難しく聞こえるかもしれませんが、[実]は、人が認知できる範囲の限られた世界。[空]は、人の認知を超える本来ある複雑系の世界。人や組織がよりよい意思決定をするために、その間のギャップをテクノロジーで支援したいという想いです。

人智を超えた複雑系の世界をひもとくなどとは、まだまだ大それていますが、近年のAIデータ解析技術の発展は目覚ましいものがあります。クウジットでは、ソニーCSLで研究開発された因果情報分析技術「CALC」を核に、人の意思決定を支援するための、因果推定や未来予測などを行っています。

Local Dialogueプロジェクトでは、これまでのAIデータ解析技術やその活用ノウハウを生かして、住民アンケート調査などとあわせてこれらを活用していく予定です。

◆エミー(笑顔)とゼニー(お金)のまちづくりへ

2015年から、慶應SDM 前野隆司先生(幸福学)、保井俊之先生(地域イノベーション)らと「人を幸せにするおカネ(エミー&ゼニー)を創る」共同研究をはじめました。ゼニーは、利益最大化の貨幣観。エミーは、感謝最大化の貨幣観。いずれも重要な貨幣観として、人が幸せであるために人の心とお金との関係を研究しています。エミーは、笑み・笑顔から、ゼニーは、銭から由来します。まちづくりの文脈でも、それぞれの特色を生かしながらも、人々が幸せであるために、そしてまちが持続的であるために、このエミー(笑顔)とゼニー(お金)がバランスされた、エミーとゼニーのまちづくりが必要であると考えています。

Local Dialogueワークショップでは、参加者間での対話を通じて、実際のまちづくりのアイデアを出し合い、さまざまな気づきが生まれ、次にやりたい!と思えるアクションが見えてくることでしょう。Local Dialogueは、ワークショップに参加して終わりではありません。ワークショップ中に出てきたアイデア、施策案を机上で終わらせないために、そして実際にそこに住む人、働く人、自治体や関係者の皆さんを巻き込んでいくためにも、ぜひとも住民アンケート調査などのデータ収集を行い、それらが実際のまちづくりのフィールドでデータとして定量的にも裏付けをとっていく、次のステップに進んでいただけると幸いです。

◆データを活かしたまちづくり

Local Dialogueのデータ解析支援フェーズでは、どんな街の方向性にしたいのか(戦略因子、目的変数)に照らし合わせて、実際のまちの声からの現場、現状において、どんな施策の方向性(説明変数)が一番効いてくるのかや、直接的な要因はどれなのかが、浮かび上がってくるはずです。ワークショップのときに考えていた施策案の方向性と同じであれば、直感の裏付けになりますし、異なっていれば、気づいていない構造や要因が見えてきたということになるでしょう。

LocalDialogueチームは、さまざまな領域で活動していた経験豊富なメンバーが、対話を通じたまちづくりというテーマで共感、必然的なタイミングとご縁でつながったスペシャリスト集団です。それぞれの得意分野と役割にて、笑顔あふれる、そしてお金も循環する、ウェルビーイングな地域づくりに貢献できること、とてもわくわくしています。

まちを笑顔にするためには、まず自分が笑顔でないとですね。LocalDialogueワークショップやファシリテータ向けの説明会が定期的に開催されていますので、楽しみながら、お気軽に体験してみてください!